2005年5月1日
JC-GTS2005研修を終えて(2005年)
『GTS2005研修』を終えて (2005.4.21~4.24) 御坊JC 谷口 光
本年度のGTS(グローバルトレーニングスクール)研修は、『志が創るほんまもんのGTS!』をテーマにベトナム社会主義共和国のフエにて開催されました。近畿地区の各地青年会議所より、84名の参加で御坊JCからは、私(谷口)が行って参りました。 今回のGTSの事業目的は、ストリートチルドレン(路上生活をする子供たち)を支援し交流することにより、物質的に豊かだと言われる日本で生活している私たちが忘れかけている「生きる力」・「人間の本来の幸せ」を思い出し、今後の国際ボランティア啓発活動の推進につなげることを目的としています。
ベトナムには未だストリートチルドレンが5万人いると言われています。今回の研修でお世話になった「子どもの家」は、小山道夫氏がストリートチルドレンの自立支援活動を目指し1994年から活動しているボランティア団体です。小山氏は、東京で学校の先生をしていましたが、1992年に研修旅行でベトナムを訪れ、路上で生活をしている子ども達を目の当たりにして強い衝撃を受けたそうです。この子たちを助けなきゃと思い43歳で教職を辞め、親戚・同僚の反対を押し切り、単身でべトナムに渡ったそうです。
私は、小山氏からこの話を聞いたとき、はたして自分の人生を異国の地の子ども達のために注ぐことができるかと考えさせられました。この「子ども家」の多くの子ども達は、フエ近郊の農村の子ども達だそうです。父親が死亡したり、蒸発したりして農業ができなくなり、母親と共にフエ市に仕事を探しに都市難民として流入し、道路や橋や公園などで生活をしていたそうです。やがて生活できなくなり、母親が蒸発したり、売春婦として捕まったりし、子ども達は路上に放置されてしまうことになります。どの子ども達にも何の責任もないと思います。小山氏は、街中にいるこういった子ども達を「子どもの家」に受け入れたそうです。「子どもの家」から卒業(自立)していった子は259名いるそうです。現在は、「子どもの家」中で60名ほどと外部で30名ほど計90名ほどの子ども達の支援をしています。
我々は、今回の研修を通じて支援したことは、縫製工場建設予定地の造成(1~4班)と中庭コンクリート補修(5~8班)作業でした。私の班は、中庭コンクリート補修を担当しました。36℃という炎天下の中、材料の運搬~コンクリートの練り混ぜ~打設とすべて手作業で行いました。普段運動不足の私にはとても辛かったです。でも、一緒になって作業してくれた子ども達の無邪気な笑顔を見ていると、頑張らなきゃと思いました。子ども達と言葉は通じなくても目と目で通じ合ったような気がします。
今回の中庭コンクリート補修の作業範囲は600m2あり、手作業では、せいぜい1/2~2/3程度で全部完成させるのは、無理だと思いました。しかし、JCの力というのはすごいもので、普段、体を動かさない素人集団でも力を合わせれば、何とかなるもので90%ほど完了しました。さすがJCだなと思いました。いや、子ども達も暑い中、一生懸命になって手伝ってくれたからだと思います。 また、女性班(9班)が子ども達と一緒に食事(日本料理・ベトナム料理)を作ってくれました。子どもの中には、割り箸を割れない子もいました。一緒に作業をしたり食事をすることより、子ども達も我々に心を開いてくれたと思います。「子どもの家」の子ども達は、みんな親の愛情を十分に受けて育てられていません。子ども達の心のケアが非常に難しいと言われています。そんな中で我々は、短い期間でしたが子ども達と交流することにより、子ども達の純粋な笑顔を見れたと思います。いい経験ができました。参加してよかったと思います。 今回のGTS研修に参加するにあたり私に支援してくださったメンバーの皆さんに感謝いたします。どうもありがとうございました。
<< 私がカルチャーショックを受けたこと >>
・コンクリートが付いた使い古しの軍手を欲しがった現地作業員
・飲みかけのコーラを欲しがる子ども(ドンバ市場にて)
・何か頂戴と両手を出す子ども(ドンバ市場にて)
・ノーヘルで家族5人乗っているバイクを見たとき(2人・3人乗りは当たり前のようです)
・政治は社会主義だが、経済は資本主義であるため貧富の差がはげしい(会社社長でベンツを乗り回している人もいれば、かたや天秤を担いで歩いている人は、1日の収入が100円程だそうです)
<< 持っていけば良かったと思った物 >>
・ 子ども達の文房具類
・ 作業用の道具(コテ、角スコ他)
・ 薬類(今回自分の分として持って行った薬類は寄付してきました)
<< 面白かったこと >>
・名刺を欲しがる子ども達(特に写真付きがいいらしい??)
<< 知らなかったこと >>
・べトナム独立宣言(1945年):ベトナムは日本軍国主義から独立すると書かれていたこと
コンクリートの練り混ぜ
コテ押え
小山氏と7班のメンバー
子ども達との交流